輪廻戦記ゼノスケープ/エンターブレイン/藤浪智之ほか

 お仕事で目一杯動いたせいで帰ってきてぐったり、という毎日を過ごしておりますこんばんわ。(疲)
 いや、目標にしている枚数にまったくもって届きませんよ…機械の調子はよかったんだけどなぁ、いかんせん枚数指定の仕事があると厳しい。
 まぁコンスタントに4万枚折れてるからいいのかなーと思う次第(実際には枚数=報酬なので多くないと時給計算上負けるのだが)。
 話は変わって先日テラガンをやってみたりもした。しかも今回はPLで。久し振りにやってみたりするとやはりいいものだなぁとか思うわけだ(笑)
 キャラの方は元ロケットレンジャー(列車砲の砲弾に乗って攻撃を行なう降下兵)の一員だったという設定になり、その身は借金まみれ(汗)
 テラガンのキャラはメイキング時に持ってるアイテムの分だけ借金を被る運命とはいえ、ロケットレンジャーの一般装備は全体的に値段が高い。
 おかげで列車を叩き出される一歩手前ぐらいの借金が我が身を襲うのだが…まぁ今回報酬もしっかりもらえて、維持費が比較的安く済んでたから
 借金のほとんどを返すことができましたとさ。全部消え切らないあたりが何とも悲しいところだったりもしますが、いいんですええ(泣)
 

 自分の本棚には多くのルールブックが収まっています。ただ、その全てがプレイ済みかと言われると言葉を濁すしかないわけですが。
 プレイできないのにはいろいろな理由があります。そのほとんどは「プレイヤーが揃わない」ためだったりしますがね(汗)
 ルール自体に問題を抱えるものもあります。判定自体が非常に難解だったり、逆に単純明快過ぎてつまらないと判断されたり。
 もしくは楽しさが見えない(プレイしてもつまらないのが明白)とか、ルール著者/イラストが嫌いだとか…まぁいろいろあります。
 今回はそんなお蔵入り、もしくは資料としてしか使用されない予定のルールブックに目を向けてみようという感じで行こうかと。
 ちろっと書いてみてやりたーいとかいう声が聞こえたらそれはそれでいいかなぁとか思ってみます(笑)
 

 Xenoscape(ゼノスケープ)――それは誰にも見えない光景だ。迷い込む者があっても、その中の出来事を覚えている者はいない。
 まるで白昼夢のようにさまざまな変化を起こすその空間、その奇妙な出来事を覚えているのは誰も――転生者であるあなた以外は。
 ゼノスケープ、それは地球の見る夢。異形の光景。地脈が狂い猛るエネルギー異常地帯。
 その夢を悪夢に変える者たちがいる。ゼノスケープに潜み、その力を持って歴史の影に暗躍する者たち。
 彼ら「光の使徒」の力は強大で、その力は表の世界にも裏の世界にも及ぶものだ。彼らも転生者……あなたと同じ力を持つ。
 そして思い出すことだろう。あなたは彼らと戦ってきたのだ。
 遠い昔の(もしくは未来の)前世の記憶を呼び覚まし、その記憶を自分のものとする。それがあなたの力だ。
 「光の使徒」とて恐れることはない。あなたには前世より引き継いだ力、星の加護がある。そして何より、運命を切り開く強い意思があるのだ。
 

 『輪廻戦記ゼノスケープ』は数あるTRPGの中でも非常に珍しいシステムを搭載したゲームです。そのためプレイ自体にもさまざまな難点があるんですが…
 PLは転生者と呼ばれる、魂の輪廻を繰り返してきた人物をPCとして演じることになります。
 キャラクターメイキングではまず7つの「ピース」と17の「アスペクト」、そしてそれに付随する特技と秘技を選びます。
 ピースとはキャラクターの流儀であり、運命を切り開く力を表わします。それぞれがチェスの駒になぞられ、特有の特技を持っています。
 そしてアスペクトはキャラクターの運命であり、転生者の持つ数多の特殊能力となります。
 これらは17の天体に準じた力を持ち、それぞれのアスペクトによって決まる秘技を用いることができるようになるのです。
 これらを決定するとおおまかにキャラクターのタイプが見えてくることになります。同時に能力値がピース、技能がアスペクトで決定されます。
 基本的な判定方法は能力値+2D6という単純明快なシステム。技能があればダイスを多く振って選べるというもの。
 だがこのゲームはダイスとトランプを同時に使って進むのです。通常の判定はダイス、キャラクターが持つ秘技を使用する場合はトランプを使います。
 秘技は炎や稲妻、光や闇を発生させるなどの派手な特殊効果が多く、その効果も絶大なのだが滅多やたらと使えるものでもないのですが、
 何の変哲もない日常に超常現象である秘技の効果はあまりに現実離れしているもの。そのためその周囲がゼノスケープ化してしまうのです。
 そのためにPCではまず止めておいた方が無難です。光の使徒になりたいというのならば止めませんが…
 

 PCを製作した段階ではまだ自分の前世は決まりません。前世の自分である「イデア・スピリッツ」はシナリオで用意されることが多いからです。
 イデア・スピリッツ(アイズ)は前世の人格。そして「自分であり自分でない」ものです。すなわち完全にコントロールができるわけではないわけで。
 このゲームではプレイ中にキャラの人格とアイズの葛藤が起きることがあります。キャラが逃げたいのにアイズが戦いたがるなどがいい例でしょうか?
 そしてゼノスケープのアイズを使用したイベントの一つが「ドリーミング・トゥルー」です。
 現実のような夢、その中で自分のキャラクターは保持しているアイズの姿を持って登場します。現世とは違う前世の夢の中でシナリオが進行するわけです。
 システム上では「デュアルレイアー・シナリオ」と呼ばれるものですが、このゼノスケープというルールの最大の特徴と言えるでしょう。
 PCにとって敵となるのは「光の使徒」。彼らはPCと同じ転生者です。しかしPCと彼らとは最大の違いがあります。
 彼らは「現在の姿」を、完全に否定していることです。彼ら光の使徒は前世の姿こそが「本来の姿」であるため、今の姿はかりそめに過ぎない…
 現在の姿、生活、家族、人間関係からなるすべてが間違ったものであるということ。だから彼らは超古代文明時代の復活を目指しています。
 そのために彼らが起こすゼノスケープがPCの日常を脅かすというのがシナリオの大きな難関となるでしょう。
 

 個人的には実に好みな世界観で、各種雑誌などでも紹介されていたこともあり自分で購入したルールの一つ。
 その後に出た小説『ヴァルキリース・ギャンビット』や追加サプリメントカレイドスケープ』なども揃っていはするのだが…
 …うちの身内は前世に引っ張られるのはイヤらしい。元々考えれば真・女神転生TRPGやってるときからそんなことを言ってたなぁ、とも(汗)
 しかしここで個人的弁解。別に前世に引っ張られてやるだけがゼノスケではないのだ、と声を大にして言いたい。
 前世を重視し現世を否定するのが光の使徒であり、PC達は今の日常を守るために戦っているのだ。アイズを否定したって構わないのだから。
 だがアイズの力がなければ今度のゼノスケープは打ち消せない、となればどうなるのか?という感じで進むシナリオもオツだと思うのだ、自分としては。
 もしくは前世という概念をまったく使用しなくてもいい。アイズ=スタンドのような扱いだってできるのだから、そういうのもやってみたいとも考える。
 面白いルールを用いたゲームなので、一度ぐらいは動かしてみたいものだが。機会があるといいなぁ、ということでシメ。