ソードワールド/富士見書房/清松みゆき&グループSNE
自分の記念すべき初プレイ作品。ある意味このルールから全てが始まったと言えなくもない。
何しろ一番最初にこのルールでGMをやり、それが始めてのプレイであり、コンベンション初参加であり、
なおかつその頃のメンバーといまだに交流があるのだから人生って恐ろしい(何)
思えば実に長い付き合いのルールである。当然ながら当初は文庫版の時代で上級ルールが追加で2冊。
それを使ってどれだけ遊んだよっていうぐらいボロボロになっておりますな、手持ちのメインルール(汗)
実際にどの程度遊んだかということになると、手元のキャラクターシートなどを調べてみると実に分かり易い。
…いや、かなりの量あるんだこれが。自分のから他人のからそれこそ実に山のように。
高校時代に学校でも結構遊んだからそりゃ多いさ、とも思うんだけど。やはり当時からなかなか異常だったんだなと(汗)
世界観的には実にオーソドックスなファンタジー作品で、TRPGが初めてという人にも比較的わかりやすいものだと思う。
ドラクエとかFFをわかれば大丈夫だよーなどと言っていたのは当時のことだねとか言っちゃいけない(汗)
プレイヤーキャラクター(PC)となるのは『冒険者』と呼ばれる人々となり、さまざまな冒険に身を投じていきます。
かつて栄えた古代王国期の遺跡探索から、近隣の村を襲う妖魔退治や盗賊征伐まで。
果ては街中で巻き起こった騒動の解決のためにも駆り出される始末。言うなれば何でも屋と言い替えることができるかもしれません。
ただそういった冒険の中で得られる報酬は場合によっては一攫千金となることも。
そのへん冒険者は自分の命と報酬を秤に乗せて生きているわけですな。しくじれば一巻の終わりなんですけど(汗)
そしてこの世界には人間以外の亜種族も住んでいます。
長命で知的なエルフ、腕力が強く身体的にタフなドワーフ、足が速く手先も器用なグラスランナー、
そしてエルフと人間の混血児であるハーフエルフ。これらの種族は当然プレイヤーも選ぶことができます。
それぞれ種族ならではの特殊能力や生まれ持った技能などもあるので、それらを活かした活躍が期待できるわけです。
ソードワールドの基本システムは全ての行為判定を2D6(6面体ダイスを2つ振って合計する)で行なうもの。
キャラクターの能力値から算出した能力値ボーナスに取得している技能レベルを足して判定の基本値として、
ここに2D6を足す。この足した数値(達成値)が目標値に届けば判定成功となるシステムを用いているわけです。
ソードワールドで特徴的なシステムといえば『冒険者レベル』の概念でしょうかね。
冒険者は冒険をするのに必要な『冒険者技能』という技能を取得することで戦闘や探索、各種魔法などを扱うのですが。
取得している冒険者技能のうち、もっとも高い冒険者技能のレベルが冒険者レベルと呼ばれます。
この数値は『そのキャラクターがどれだけ英雄に近付いているか』を示すものとなり、ある種の防御能力として働くのです。
ソードワールドのルールでは冒険者レベルがあらゆるダメージに対しての防護点となります。
武器による物理攻撃はもちろん、通常鎧などの防具が効かない攻撃魔法などのダメージなどにも有効になるので、
総じて冒険者レベルの高い冒険者は死ににくい…ということになります。また毒などに対する肉体的抵抗力や、
魔法やそれに類する術に影響されるかどうかの精神的抵抗力も冒険者レベルからの算出となります。
無論冒険者レベルが高いからといって本当に死なないというわけではありませんが。
冒険者技能も各種揃っており、武器を持って戦うためのファイター、屋内探索を行なうためのシーフ、
神聖魔法を行使するプリースト、精霊を友とするシャーマン、古代語魔法を駆使するソーサラーなどなど。
経験点に余裕があれば複数取得も可能なので、兼業も可能ではあります。その分中途半端にもなりかねないんですが(汗)
魔法も神聖魔法・精霊魔法・古代語魔法と3種揃っており、バリエーションは豊富と言えるでしょうか。
基本ルールだけでは5レベルまでしか魔法が載っていないんですが、追加の上級ルールブックを用いることで
10レベルまでの魔法が使用できるようになり、これによって相当長く遊ぶことも可能になります。
もっとも今ソードワールドのルールを手に入れようとすると「完全版」という分厚くて重くて高いルールブックになるんですけども(汗)
実物を初めて見たときは「これなら人も殺せるんじゃなかろうか」とマジ思いました。すっげーごっついんだもの(笑)
この完全版には新規にモンスターやマジックアイテムなどのデータが多く揃っているので、便利といえば便利。
問題は持ち運びかな? 文庫3冊より確実に重いんですが…まぁハードカバーだからということで。
ルール的には…実は意外なところで引っ掛かりやすいという印象があったりする。
初心者向けというわりに「レーティング表」が意外とわかりづらかったりするイメージが拭えないのですよね。
これは武器の重量などの打撃力などの基礎値を横軸へ、振ったダイス目を縦軸に取った表でその結果を参照するシステムなのですが…
欠点としては一発でダメージが出てくれないこと。回りくどいから覚えにくいという意見も聞いたような覚えがあったり。
そのためにハウスルールとして一番手を加えられる部分でもあると言います。打撃力から直接ダメージとかを出してしまう方法ですな。
自分達でもソードワールドがベースのオリジナルルールを作った際、このあたりは弄って変えてしまったものなぁ…
あと完全版で行なわれたシステムの細部に対する調整や修正。場合によってはこれが気に食わないって人もいたりするんで、
そのへんは随時GMと相談なり各種微調整が必要だとも言えなくはない。いや、実に細かい点なんだけれども。
『フォーリング・コントロール(落下速度の操作)』がどのタイミングでかかるんだ、って話もあったなぁ…
どこぞのコンベンションでは「ソードワールドのルールに文句をつけられたら初心者は脱出だな」とか聞いたりもした。
…まぁ当時のコンベでの比喩なんで、あまり本気にしないように(汗)
ただ実際当時は改造ルールがすっごく多かった作品でもあります。コミケとかでもかなりの数出回ってたかな。
自分が知っているだけでも「召喚魔法」や「格闘技」「動物使い」などさまざまなサプリメントが出てたと思う。
そんな感じでガシガシとプレイヤーに弄られまくったルールの一種と言えるかもしれない。
もっとも市販ルールって大抵の場合どっか不満が出てハウスルール追加とかで弄られて、ということが多いのだが。
富士見書房としても大看板の一つとしてRPGドラゴンなるものを出したりしていたんだが、これがあまり売れず。
同時期に発売したMAGIUSシステムも今一つ当たりを出さずにそのまま廃刊になっちまった経歴があったり。
今となってはソードワールド世界というよりも「魔法剣士リウイ」の世界とか言った方が知ってる人もいそうだとか。
このシリーズの小説も立ち読みで読み漁った(爆)のだが…今はもう物語が追えません、げふり。
ソードワールドの利点の一つはリプレイやノベルの豊富さもあるのかな、とも思うわけですが。
意外と当たり外れ大きいと思うんで、自分としては「スチャラカ冒険隊(第1部)」「バブリーズ(第3部)」、
あと「へっぽこ冒険者(新リプレイ)」あたりがよいのだろうかと。挿絵の好みも大きいけどね、うん(汗)
しかし今の段階で思ったんだが。ソードワールド>ロードス島>クリスタニアっていうストーリーの流れ、
今のプレイヤーのどのぐらいが知っているんだろうなぁとか考えちゃったり。
餓狼伝説1のギース落下シーンぐらい知られてなかったりして(汗) あー、でも最近はリアルバウトとか餓狼とかで知ってるか。
…閑話休題。
ソードワールドは世間的だと「日本で一番売れたTRPG」という認識だし、事実として一番商業的な成功を収めた作品と言えるはず。
PCやSFCみたいなゲーム機でもその名前を見ることができる数少ないTRPGだし。
日本のTRPG業界に及ぼした影響は計り知れないものである…というあたりで押さえておきますか。
でも今ソードワールドをやっている人はどれだけいるのだろう? と首を傾げてしまうところ。
今さらとも言える都市紹介サプリメント。あれは実際のところうまく行ってるんでしょうか?(汗)
噂を聞く限りではあまり売れ行き好調とは言い難いような…まぁ昔みたいに商売敵が少ない状態じゃないからなぁ、今は。
もはや心は離れ他のゲームへ。出発点に戻ってくる日はいつか来るのかなぁ、などと感慨に耽っておきましょうかね。