オーサカM○●N/アスペクト/鈴吹太郎&F.E.A.R.

 自分達がトーキョーN◎VA系列に入るための入口となった作品。
 確かコンベンションで卓に参加してプレイ、面白かったなぁと言って次の週には買っていたよーな記憶もある(笑)
 この初プレイ時に神谷勇気&龍岡衛門のコンビが誕生したのは意外と知られていない。まぁ有名でもないが。
 そして自分のプレイミス(というより選択ミス)により、衛門vs他のPC+NPCという状況になっちまったり。
 クリスタルウォール(透明なプラスチックの盾)を使いまくって延々攻撃を防ぎはしたのだが最後の最後で神谷の<とおし>で内蔵破裂。
 この一撃で勝負がつき、自分としては依頼失敗となったのだが…ここから互いの腐れ縁のよーな関係が始まるのだった(笑)
 自分の記憶が確かならばコンベンションでM○●Nをやったとき、セーラームーンのトランプを使ってたことがあったよーな。
 「ではうさぎで攻撃!」「ちぃ、レイで受けるしかないか」とか妙なバトルを繰り広げていたはず。
 …残念ながら一緒にいたはずの神谷は乗ってくれなかった。ノリの悪いヤツめ(待て)
 

 世界観としては『災厄(ハザード)』と呼ばれる地球の地軸移動現象により荒廃した国々の中、
 赤道直下に移動した日本が鎖国をして…というような世界。ある種よくあるサイバーパンク世界です。
 鎖国してしまって日本に入れない人達が集まってできた日本の出島というべき街がトーキョーN◎VA
 そのN◎VAと世界観を同じくして存在する街が学術研究都市から発展を遂げたオーサカM○●N。
 これはそんなオーサカM○●Nでの活動を楽しむためのゲームシステムであります。
 サイバーパンクな世界なだけあってキャラクターはサイバーパーツを埋め込んだ荒事屋や企業の工作員などができます。
 もっともこの世界、PKやESP、果ては魔法を使える連中なんかも結構うろついてたりして…(爆)
 あとN◎VAシリーズの特徴として、普通のゲームではなかなかできない「企業の重役」や「ヤクザの親分」なども
 PCとして使えたりします。部下や子分を操って裏から世界を動かしてみたりとかね(笑)
 

 M○●Nの基本システムはトーキョーN◎VAベースのトランプを使った判定を行なうもの。
 このシステムではキャラクターの取得できる技能が4種類のスートに分かれていて、1レベルごとに1つのスートを「使える」ようになります。
 例えば取得している技能が3レベルなら3種類のスートが有効になるため、キャラクターシートのスート欄を塗り潰す。
 そして行為判定の際、その技能で「使える」有効なスートの札を出せればその判定が成功となる…という流れです。
 このあたりM○●Nの通称「クルテクM○●N」では本家トーキョーN◎VAよりも相当簡略化されていて、
 各種行為判定の達成値は「判定に使用したトランプの数値+武装の修正」を使用します。当然技能のスートは合っている必要がありますが。
 PCはほとんどの場合「その分野で卓越した腕を持つ達人」クラスであり、その凄まじさを表現するものがスタイルに準じた「特技」です。
 キャラクターを作る際、ニューロデッキ(タロットカード)の中からスタイルを3枚分選び出します。
 スタイルとはそのキャラクターの能力を端的に表わしたもので、選んだスタイルによりキャラクターが取得できる特技が決まります。
 例えばカタナ(荒事屋・暗殺者・戦士など)のスタイルだと手に持った武器で相手を激しく打ち据える技や、目にも止まらぬ早さで敵を斬る技など。
 クグツ(企業の工作員など)のスタイルには自らの身元を偽装したり、所属している企業に援助を要請するコネクションを表わす特技が。
 バサラ(PK能力者・魔法使い・修験者など)のスタイルでは炎や冷気を操ったり、空間を転移して移動することなどが特技によって可能となります。
 これらのスタイル3枚分の組み合わせにより、多種多様なキャラクターを作ることが可能となっています。
 上の3種類のスタイルを所持しているキャラクターを表現する場合だと「カタナ、クグツ、バサラ」と表記するようになるわけです。
 スタイルは重ねて取ることも可能で、重ねて取得した場合はよりその能力に特化したキャラクターが誕生することになります。
 一例を挙げれば「カタナ=カタナ=カタナ」のようになり、このキャラクターはカタナの能力にのみ特化した性能を持つのです。
 もっともそれ以外はできないというある意味不器用な話になりますが…それもまた、M○●Nでの生き方と言えるでしょう。
 

 オーサカM○●N、そしてトーキョーN◎VAに通ずるこのシステムの醍醐味、それが「神業」でしょう。
 神業とはまさしく神の所業と思わせるほどの傍若無人な離れ業のことで、これには行為判定などは一切存在しません。
 神業を使用できる状態であれば、あらゆる判定に割り込み、宣言を行なうだけで効果を発揮することが可能です。
 キャラクターが使用できる神業はPCの場合基本的に3つ。どのようなものが使用できるかはキャラクターのスタイルに影響されます。
 カタナであれば自らの武器(あるいは素手)で対象一人を殺害する《死の舞踏(ダンスマカブル)》となり。
 クグツならば自分が所属する企業にどのようなアイテムでも準備してもらう《支給(サプライ)》を使用することが可能。
 バサラの場合は広範囲に自らの念動力を暴走させ、範囲内にいる全員(自分も含む)にダメージを与える《天変地異(カタストロフ)》が使えるのです。
 そしてこれら神業は妨害を受けることが絶対にありません。例外として他の神業を使われた場合を除きますが。
 要は達成値無限大の判定が即座にできると思えばいいでしょう。無限大に対抗するならば無限大を持ち出すしかない、という意味で。
 キャラクターがスタイルを重ねて取得している場合はそのスタイルの神業が複数回使えるという利点があります。
 先程の「カタナ=カタナ=カタナ」であれば、《死の舞踏》を3回使用できるようになるわけです。ただし本人はそれらを防ぐ手段をもちませんが。
 これらを戦闘時や調査・探索シーンなどでどのように使うか。これがプレイヤーとGM(場合によっては他プレイヤー)との駆け引きとなるわけです。
 この「宣言するだけで発動する必殺技」という概念は後々も他のゲームで見られるようになります。まぁFEAR製品ばっかりなんだけど(汗)
 

 良くも悪くもN◎VAのシステムをコンパクトにした存在であるわけで、その長所・短所はそのまま引き継いだというべきか。
 意外とN◎VAの世界観って説明というかバックグラウンドの解説が難しいような。シャドウランもどっこいどっこいだとは思うんだけど(笑)
 まぁ『災厄』云々はともかくとして、名前のある企業が多いからそのへんの設定を見てもらう必要があるのは否定しない。
 やるのが初めてって人はメインになる企業(千早とかイワサキ、あとM○●NならBIOSあたりか?)を押さえればどうにかなるかな。
 システム面としては…判定が簡単になってる分、パワーバランスがかなーり頭痛いことになるかも。
 よーするに強い得物を持った方が有利!というゲームであるため、どうやって装備を揃えるのかということが実に重要になってくる。
 購入不可のアイテムも神業で入手してしまえば大暴れすることは可能だし。いや、このへん実に単純明快ではあるのだけけれども。
 序盤ならいざ知らず少し経験値を入れてくると敵も味方も凶悪な武装を抱えてきて、とかなるんで結構戦闘は容赦ないんです(汗)
 連続行動回数のルールもあるのだが…特技と武器、あと運によっては延々判定が止まらなくなるのが怖い。
 打ち止めにするには一回くらってダウンするか、なんらかの特技が必要になってしまう場合もあるのでこれが結構シャレにならない。
 しかも戦闘時のダメージは基本としてタロットを一枚引いて決定するランダム方式なため、手加減もしづらいのが恐ろしい。
 実際にあったのが衛門がナイフを投げたら相打ち・死亡という恐ろしい結果。威嚇のつもりだったんだがなぁ(汗)
 

 そんな大味なゲームでもかなーり長らく遊んだりしたのです。ちょうどその頃GF(ゲーマーズフィールド)誌に付属していた
 M○●NにN◎VAの特技を持ち込むというルールを用いてキャラをガリガリとチューンしたので、
 大味なゲームがさらに大味になっちまうということに…まぁこのへんはまだ許容内だったとしておきます(汗)
 結局この後、BLACKBOX(N◎VA2ndのサプリメント)までM○●Nでやっちまうという暴挙に。
 ”狼王”エリスもこっちのルールではあまり脅威にならなかったかなぁ、などと思ってみたり。
 この後はちょうどN◎VAの3作目となる「トーキョーN◎VA The Revolution」が発売となり、そちらに移行。
 ある意味で自分達の方向性を決めたルールであると言えようか。