トーキョーN◎VA(2nd〜Detonation)/エンターブレイン/鈴吹太郎&F.E.A.R.

 流れのままに「Detonation」まで一通り遊び倒した長寿シリーズ。世間様でもかなり名の知れたシステムであることは間違いない。
 馴れ初めは2回目に書いた通りオーサカM○●Nになるのだが、実は1回だけN◎VA2ndで遊んだことがある。
 ちょうど自分達でコンベンションを開催していた頃になるのだが、そこで1回だけ。
 メンツもゲーム自体はそんなにこなしたことのない人達だったので騙し騙しRLできたが、今思うと切腹モノであろう。
 今やればともかく、当時だからなぁ…まぁ昔の話として受け取ってもらえるとありがたい(汗)
 

 現実の時間が流れると共に、トーキョーN◎VAでも時代は移りまして…
 「トーキョーN◎VA TheRevolution」ではトーキョーN◎VAに日本軍進出、そして情勢の変わったストリート…という大事件が起きちまってます。
 それまである種の無法都市であった街に、突如生まれた軍事力という名前の法は次第にN◎VAを『改革』していきます。
 これにともない世界の中でもさまざまな『革命』が起き、そしてそれはルールにも発生するのですが。
 「登場判定」を筆頭に今のTRPGでは当たり前ともなったメインシステムのいくつかを搭載して、トーキョーN◎VAは『革命』をもたらしたのですな。
 このあたりシステムデザイナー遠藤卓司の才能の一片と言えるかもしれず。
 TRPGで遊ぶ場合、個別に活動するキャラクターの管理はGMにとってかなり苦労する部分ではあったし、
 その場面場面の切り替えやタイミング、行動できる内容なんかもまとめて考えなければならないという感じで実に負担は大きかったと言えましょう。
 だが「登場判定」の導入によって、どのタイミングで動くか・ここで出ておきたいというプレイヤー側の選択の自由度合いが広がったので、
 その分だけGMの思考力の許容を楽にし、運行を円滑にすることができるシステムになったと言えます。
 そしてもう一つ忘れてはいけないであろうものが「舞台裏」の概念。そのシーンに出なかった人はすべて舞台裏に存在しているという概念です。
 メインで行なっていたシーン、すなわち表舞台に出なかったキャラクターへ「その頃君達は何をしていたの?」ということで判定のチャンスがあるという、
 別行動を楽に行なえるシステムは、些細なイベント(買い物や噂話の収集、他のメンバーとの定期的な情報交換など)を手短に済ませることができるわけで。
 こういった追加システムにより、N◎VAはさらに遊びやすくなったと言えるでしょう。実際やってみると実によーくわかります(笑)
 「Revolution」から影響を受けないデザイナーがいるならばその方が問題だ…などと語った人もいたとかいないとか。
 舞台を思わせるシーン展開でプレイヤーもRLも満足できるシステムになったと言えるかもしれない。
 2ndから使われた「神業」もよりルールによって細かく定義されて、正しく使えば経験点が入るようになりました。
 逆に自分の解釈交えて好き放題使っていた人にはがっくりした内容でもあったのかな、このへんは(笑)
 

 N◎VAシリーズはTRPGの中では比較的サポートがしっかりしている作品の一つで、SSSと呼ばれるシナリオ集が定期的に販売されています。
 それによってリアルタイムで世界が変化していく様を見ていくことも可能になっていたり。
 行方不明となっていた伝説の殺し屋の帰還。亡き友人との友情を胸に秘めた特務警察の男の生き様。最後の一手を打つべく立ち上がる年老いた猟犬。
 世界はわずかながらでも確実に、少しずつ姿を変えていく。SSSをプレイするとそんなことを実感することができるでしょう。
 まぁ実際のところは各所いろいろ不満も多いようですが。NPC目立ち過ぎ!とかで(汗)
 とはいえ2ヶ月に1冊/2本のシナリオが発売され、3年以上継続したシリーズは少なくとも他には思い付かないなぁと。
 そういうバックボーンがあったおかげでSSSの第1作『夜の女王 Mistress of the Night』から
 最新作『地獄のハイウェイ Damnation Alley』までほぼ網羅していたりもする我々。いや、よく続いたものですなぁ…
 そして先日N◎VAは10周年を迎えました。ひとつのゲームとしてこれだけ長く続いているシステムは他に類を見ないかな。
 これを支えるのはファンの熱い声援と尽きることのないデータ投書と言えるかもしれない。それを吸い上げるサプリメントもまた然り。
 実際に例を挙げるならばオーサカM○●Nから追加された「マイナスナンバー」。これはニューロデッキ(タロット)の裏であり、
 新たな人類の可能性として作られた新規スタイルであります。人為的に生み出されたミュータントやウォーカー(ロボット)乗りなどが該当します。
 このスタイル増加を受けて、今では各所各所でオリジナルのマイナスナンバーを生むに至っているわけで。
 少しネットの中を調べてみれば「N◎VAのオリジナルスタイル」なんていうのがちらりほらりと転がっているのがわかるでしょう。
 中には荒唐無稽のものもあったりするけど、それらの中には実際にサプリメントで採用されるようなネタもあったりするのがすごい所。
 よい意味での作り手と遊び手のキャッチボールができている好例と言えるのではないのかな。
 

 N◎VAというゲームは事実上ここ最近まで一番遊んでいたルールではないだろうかと思われる。むしろ疑う余地などまったくないのかもしれないけど。
 他のルールはプレイヤーから賛同が出なくてやらないとか、買った本人がやる気ないとかで全部まとめて流れていったし(汗)
 「Detonation」への移行の頃にちょっと所用で身内とのTRPGをやらない期間があったものの、
 その時期もそっちではN◎VAしかやるものがなかった、という状況だったようで。まぁ遊べるルールがあるっていうのはいいことだよね(笑)
 ただ自分の中で「Detonation」移行は正直かなり違和感があったのも事実。アウトフィットの名前からざーっと総入れ替えだし、
 スタイルの特技の内容もがらっと変わってしまい、あまりにも変わり過ぎて自分が対応し切れなかったという(汗)
 復帰してから初めてのRLで思いきり特技の内容を間違えたしなぁ(汗) とりあえずそのままで通したけど。
 そんなわけで自分は「RevolutionRevised」と「Detonation」の間でたゆたっているのです。ゆーらゆら(何)
 バサラ(PKタイプの超能力者)やアヤカシ(文字通り人外、化物の類)の種類が増えたのはいいんだけどねぇ…
 別にどっちかしかできないわけではないので、たぶんこれはこれでいいんだと思われ。(笑)
 ただ「Detonation」はある意味純粋にシンプルで初心者にはこっちの方がわかりやすいかなとも思わなくもない。
 装備や特技で「これ取らないとやってられん!」みたいなものが減っているので、その方向性は正しいのかなとも最近思い始めた。
 「RevolutionRevised」は本当にいろいろあり過ぎて、どれを取得していいかがわけわかんなくなりかねないからなぁ…
 ちなみに余談ではあるのだが。個人的にだがN◎VA2ndのダメージチャートはかなり好きな部類だったりする。
 何しろ理性・感情・生命・外界でダメージ(重傷)とユーフォリア(軽傷)のチャートが分かれていたのだ。
 もう正直どこを狙うとか有り得ない世界のお話。あのチャート全部覚えてたら別の意味で尊敬するね(爆)
 

 それにしてもここも自分のキャラが少ない。いや、いるにはいるんだけどやってた期間のわりには少ないと言うべきか。
 手持ちで代表的なキャラクター探してみても片手で足りる数しかおらんかもなぁ。
 まぁ他のPLにそれぞれお気に入りキャラクターを作れたと考えれば、RLとしてはそれで十分なのかも知れず。
 敵ゲストにもそれぞれお気に入りがいたりもするが、それを語り始めるとえらく行数食いそうだなぁ…(笑)
 そのへんはN◎VA関連サイトでも立てた際にでもまとめて紹介してみるとしますか(笑)