MAGIUS:モンスターメーカー学園RPG 学園祭編/富士見書房/藤浪智之&鈴木銀一郎

 まだまだ続くMAGIUS構成。まぁもうすぐネタ切れだけど。何しろそんなにプレイしてないんですよ、MAGIUSは(汗)
 個人的な意見かもしれないがどうもMAGIUSのサプリメント(扱いとしてはこうなってる)は、ソロプレイを重視したものが多い気が。
 『ロケットガールRPG』あたりもその代表的な一つと言えるのではないだろうか。何しろ宇宙に上がるための宇宙船は最大で2人乗り。
 複数打ち上げるなんて可能性はあまりないので、最大プレイヤー人数は2人となるが…こんな小人数プレイはまずやることが少ないし。
 『セイバーマリオネットJRPG』も同じことが言えるか。ルールブックの半分以上がソロプレイ用のシナリオとなっていて、
 残りもマリオネット達のパーツイラストや立ち絵などに使われている。特筆すべきは複数人プレイ用のシナリオが付属されていないということだ(汗)
 …よーするにこういうものがあるよ、と未経験者で富士見ファンタジア文庫を読んでいる人を引き付けて…という狙いだったのだろうか?
 まぁその目論みは基本的に失敗したとみてよさそうだ。実際ソロプレイ重視のルールが多かったのだから無茶があったなぁと思わなくもない。
 MAGIUSのルールが現在ではまったく発売されていないあたり、もはや黒歴史かもだが(爆)
 

 さて市販のMAGIUSシステムを使用したルールの中でも異色の存在がこの「モンスターメーカー学園RPG」でありまして。
 TRPGをやっていなくても『モンスターメーカー』という名前に聞き覚えのある人はいるのではなかろうかと思います。
 それもそのはず、各種メディアに移植されたことのあるかなり古い歴史を誇る人気作品であるのですよ。
 事の始まりは1988年、翔企画よりカードゲームとして『モンスターメーカー』が発売されたのがきっかけ。
 この作品が当時のゲーマーにヒットし、高い人気を誇って次々と続編作品が発売されます。そしてそれはカードゲームのみに留まりませんでした。
 PCゲーム・コンシューマゲーム、小説やコミックなどいくつものジャンルで広がりを見せました。
 当然TRPG化もされています。富士見書房から出ていたんですが…今入手するのはちょっと難しいかなぁ(汗) リプレイも出てるんですがねぇ。
 で、このモンスターメーカーという世界はただのファンタジーだけでは収まらず。『モンスターメーカー宇宙商人』というSF編や、
 『モンスターメーカー日本妖怪』と題された中世日本などのパラレルワールドが存在します。
 他にもいろいろあるんですが、そのへんはキーワードからのリンクに任せるとして(笑)
 さて、それでは今回の舞台である『門星明華(もんせいめいか)学園』をご紹介しましょう。
 

 モンスターメーカー学園RPGの舞台となるのは門星明華学園。いわゆるモンスターメーカー世界を元にしたパラレル作品の一つで、
 学園モノを遊ぶために作られた世界です。ただ学園モノといっても油断してはなりません(何)
 元が元だけに剣を振り回す生徒や魔法を使う生徒、エルフやドワーフ、モンスターまでいたりします。学園長は魔導士ガンダウルフだし(爆)
 そんなメンバーが日々の授業や期末試験、クラブ活動や文化祭にと活躍するわけです。もちろん学園モノならではのラブコメもありですな(笑)
 もはや現代モノかファンタジーかもわからないような内容ですが。そのようなことを気にしていては心から楽しめませんからお気楽に。
 このちょっとヘンテコな学園生活を送るゲームを楽しむようにしてくれると一番よいかなと思うわけです。
 キャラクターもモンスターメーカーシリーズ総動員となっており、小説『ドラゴンライダー』の主役であるアイラは文芸部に所属するライターで、
 将来は「ドラゴンライター」を目指していたり、ヒロイン格の一人であるディアーネはテニス部エースで愛用の『ホリィアックス』を振り回し、
 バーサークしながら豪速球サーブを叩き込むというような感じになってます。他にもタムローンやルフィーア、ロリエーンなどが揃っています。
 

 システムについての説明は省略(爆) だってMAGIUSの判定方法は全部同じだもんさ(笑)
 モンスターメーカー学園のルールで遊ぶ場合、プレイヤーはルールブックに記載されている既存キャラの中から一人を選び、自分の持ちキャラとします。
 この際にオリジナルキャラクターは残念ながら作れません。何しろ作るルールがないんだから(汗)
 さてこのゲームにはキャラクターにCPという数値が用意されています。
 CPはキャラクターポイントの略ですが、これは経験値兼特殊能力のコストとして使用します。各キャラクターはそれぞれ固有の特殊能力があり、
 それを使用する際にCPを消費して特殊能力を使うわけです。バーサークやファイアボールなどのバトルを有利にするものから、マップの移動を行なうもの、
 中には仲間を呼び出したり、仲間のところに移動したりするような特殊能力もあります。これらを活用することがシナリオ内で活躍できるかどうかの鍵。
 またCPを使ってキャラの持つ能力値や技能を上げることもできます。相当多くのCPを食うのであまり上げようとすると大変ですが。
 

 プレイしてみた感想としては。学園モノを気軽に遊ぶということについてはそこそこいいルールではないかと思います。
 学園のマップをうろうろして移動するタイプのゲームのため、ボードゲームのようなプレイスタイルではありますが、
 どこに行けば誰に会えるというのがある程度わかるのも重要かなと思う次第。命惜しくば保健室には近付くなってところだが(汗)
 個人的にはこれでオリジナルキャラを製作できるルールがあればよかったかなぁと思うこともある。
 まぁモンスターメーカーのキャラで遊ぶというのが大前提であったのだろうから、このへんは仕方ないのかもしれないけれど。
 あとGMもキャラを作って一緒に遊ぶことができるというのがあるのだが。これは正直止めておいた方がいいかなとも。
 シナリオを知っているGMが同じように参加するのはやはり無茶がある。いくらダイス目でシナリオが進む進まないがあるとはいえども、
 おいしいところを知っている人間はその展開通りに動いてしまうのが道理だから。GMやるなら専業でやることをお薦めしよう。
 あとGMをやるならば広い心でテキトーにやること。あまり深く考えてやってもいい結果には繋がりそうにない(汗)
 ソロプレイシナリオでも「スリングの技能でサーブを打ち返す」なんて場面が出てくるようなゲームだということを忘れないように(笑)
 余談ではあるがモンスターメーカーの原作者・鈴木銀一郎氏はJGCというゲームイベントにおいて、
 ロリエーンというロリキャラを堂々と演じてみせたという。さすがだぜ銀パパっ!(何)