真・女神転生ⅡTRPG(誕生編・覚醒編)/アスペクト/朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ) 監修:鈴木一也

 はー、なんか急にバイトが忙しくなると日記の更新が滞りますな。作業に慣れるまでもう少しかかりそうだなぁこりゃ(汗)
 作業数という明確な数値から給料の決まる請負制の仕事のため、ある程度の目標なんかも狙えるからそういう意味では悪くないんだが。
 ちょうど調子の悪かった機械のメンテナンスも終わったことだし、調子のいいうちに最高記録出しておきたいな…
 

 時は現代、場所は日本の首都・東京。その大都市の一角に蠢く異形の者たちがいた。
 普通に暮らす人々はそんなことには気がつかず、平和に暮らしている。だがそのモノ達の手は確実に世界を蝕んでいた。
 その異形のモノは「悪魔」と呼ばれる。これは元来の意味ではない。神であろうが(本来の意味で)悪魔であろうが、そう呼ばれるのだ。
 徐々に浸食される現代社会、そして何者かの陰謀。悪魔は次第に猟奇的な、不可思議な事件を引き起こす。
 そんな中人間の中にも力に目覚めるものが現われる……そしてパソコン通信によって送られる『悪魔召喚プログラム』。
 それは悪魔を自分の「仲魔(なかま)」として、いつでも召喚することができるというもの。
 人々の目覚めは何も知らぬ愚者よりの脱却。それも人間の生存本能なのだろうか? 否、それは転生した神々の力なのかもしれない。
 彼らはまだ自分達に課せられた宿命を知らない……
 

 家庭用RPGとして人気を博している「女神転生シリーズ」のTRPG版ということで登場したのがこのルール。
 名前を聞くと「Ⅱなの?」とか思うんですが、この作品の前身『真・女神転生TRPG』があるためⅡがついていると思っていただきたい。
 世界観は初代真・女神転生と同じ現代日本。悪魔の存在はまだ世間に知られているわけではなく、平和な日常が続く世界です。
 そんな中でPCはさまざまな事件に巻き込まれるのですが…問題は普通に現代日本なので、武装制限が結構あるということか?
 一応銃器などを装備する方法はあるものの、堂々とは装備できないという意味でね。警察だってしっかり活動してるわけだし。
 

 ゲームの中でPCとして使える職業は実に幅広い。普通の学生や魔法を使う魔法使い、流れの格闘家や剣士、探偵や元自衛官などから始まり、
 悪魔合体の施設『業魔殿』主催・ヴィクトル氏のような悪魔合体師や妖精の友たる魔女、秘術を会得した退魔師や忍者、念動力を有する超能力者、
 さらには造魔や悪魔と人間との合体人まで、とんでもなく多彩。そこに技能や特徴の中から選択して使用することが可能であるため、
 結構狙い通りにキャラクターを作ることができる。このへんはゲームとしての歴史というかバックボーンの出来の良さもあるのかな?
 キャラ作成はおおまかにはスキル制。ただ自分が取得している「技能」によりけりなので半クラス制とも言えるかもしれない。
 女神転生シリーズといえば悪魔の召喚や合体ができるのが楽しみの一つ。当然このルールでもそのあたりはしっかりサポートされている。
 技能「ハイテク」の中に存在するのが「コンピュータ」で、女神転生ならではのプログラムによる悪魔使役能力を有しているのだ。
 ただしTRPGということで悪魔との交渉はGMとの会話から行なうかたちになっている。これによって会話も一辺倒なYES・NOではなく、
 アイテムを贈ったり芸を見せたりお互いに殴り合ったり(爆)という交渉手段が取れるのも強み。悪魔使いには口のうまさも必須だってことで(笑)
 一応デジタルに行なうルールがあるのではあるが。それをあまり使っている場面を見たことないってのは自分のプレイ環境だろうか(笑)
 なおこのゲーム、プログラムを使用しないで悪魔と話すと「シンクロ」という精神汚染を受けてしまうことがあるので、
 普通に悪魔と話すならコンピュータを使った方がいいだろう。精神力が高ければある程度までは防御も可能なのだが(汗)
 時期的に「デビルサマナー」シリーズが登場した頃に出た作品なので、COMP(コンピュータ)の中にはアームターミナルからGUMPまで存在する。
 しかも形状はGMと相談することでさまざまな形を取ることが可能。今ならいっそ携帯電話やモバイル使いの悪魔使いなんかも面白いかもしれない。
 

 メインの判定システムはD%という下方ロール。例えば判定値が30%だったら0〜99までの乱数を得るために、10面体ダイスを2つ振って
 片方を十の位、もう片方を一の位と読んで判定値以下を出せば成功、というもの。TRPGでは古くから使われるタイプの判定方法ですね。
 さて、真・女神転生TRPGのルールではもう一つ判定時に忘れてはならないことがあるのですよ。通称「スワップダイス」と言うシステムです。
 本来このようなタイプの判定方法はどちらのダイスを十の位として読むか、というのをダイスを振る前に決めておくのが普通です。
 ですがこのルールでは技能を所持していると、ダイスの上下を入れ替えることができるというものです。言葉として説明すると難しいかもしれず。
 判定値が30%の場合、判定する10面体ダイスで「7」と「2」を出したときに72と読むのではなく上下を入れ替えて27と読めるわけです。
 27にすれば30%でも成功するので技能があれば成功率が各段に上昇するというわけですな。このスワップダイスによって、
 ゲーム序盤の戦闘でなかなか攻撃が成功しないというよくある光景をあまり見ないで済むのが特徴。
 場合によっては狙いをつけて成功率を上げることも可能なので、難度の高い上級技になるとこういったことも使うと一気にダメージを稼げます。
 またPCはレベルが上がっていくとだんだん人間以上の力を手に入れていきます。これをルールでは『覚醒』と呼ぶのですが。
 覚醒は自分の神族を思い出す、などの効果もあったりします。例えば自分がヘブライ神話に出てきた天使の一人だったとかですかね。
 これによってキャラクターの方向性が引っ張られるのもあり、転生段階によっては神話の再現も行なわれるような感じになります。
 オーディンの転生ならトネリコあたりに首を吊って冥界からなんか取ってくるとか? ホントに死なないように注意しましょう(笑)
 覚醒するとキャラは場合によりますががっつり強くなります。技能が増えるので使える技が増えたり技の制限が解けたりするのです。
 ある程度人間やめないと使えない技なんてのもあるんで、そういう意味では覚醒はキャラを強くするためには必須と言えるでしょうか。
 ただ覚醒自体はキャラが死んでいない限りどんな状態でも行なえます。正確には死んでも行なえちゃったりしますが。
 これは覚醒には一定条件を満たした時に『覚醒イベント』というものを発生させて、ここでの判定に成功すれば覚醒することが可能になるため。
 その条件の中には瀕死になった時に発生できる「臨死体験」や本当に死んだ際に発生できる「現世での死」なんてのもあるのですな。
 もっとも一定以上のレベルに到達していなければいけないんですがね(汗) あとこれらには回数制限があるので判定は計画的に(爆)
 

 基本的に自分はPLとして参加したことの方が確実に多いゲームですか、珍しく(笑) キャンペーンもずいぶんと長く行なってましたなぁ。
 何度かキャラクターを入れ替え入れ替えやってたんですが、基本的には近接格闘型が多かった。むしろそれしかできないようなタイプ(爆)
 この手の退魔モノでは悪魔(モンスター)を仲間にできるという概念は始めて出てきたんじゃないかな、と思うシステム。
 実際魔獣使役とかルールがあっても単純に魔法の一環として終わってしまうルールも多いってのもあり、そういう意味では実に貴重なものと言える。
 メガテン好きをTRPGに引き込むにはある意味最適なゲームであると言えるのだが、その際には世界観に詳し過ぎる人だといろいろ大変かも。
 GMやるならせめて下準備としてコンシューマを少し遊んでおく必要があると思います(爆) 普通はやってるモンだと思うが、一応(笑)
 ゲームが進むにつれてPCのほとんどは神(悪魔)として生きた前世の記憶をだんだんと取り戻していくことになるのですが。
 このへんある程度神話などに造詣が深くないといろいろ問題があるかもしれないかなぁ…とも思ってみたり。この世界、変に詳しい人も多いが(笑)
 まぁやりながら勉強なんてのもいいのかな、たぁ思うんですがね。今だとネットでさくっと検索すれば出てくることも多いし。
 一緒に遊んでいた仲間の中にはわざわざ図書館などに通って、そのあたりの資料を引っ張り出してくる人もいたりして。実に念入りだよねぇ…
 戦闘システム的には防御するよりも攻撃、という感じがします。下手に守ろうとすると結構大変なので、やられる前にやれと(爆)
 格闘系でもそのあとの選択流派によっては防御ができますが、そんなにしっかり揃うものでもないと言っておきます。日本剣術とかは強いが(笑)
 デジタルな悪魔使いを遊ぶならばコンピュータ専業に近くなることもあるかもしれんけど、かなり楽しいルールだと思います。
 その際には悪魔との交渉でぶっ殺されないように(笑)ある程度交渉能力を高めておく努力も忘れないようにしましょう。
 大丈夫、GMは頑張ってるPLには結構優しいもんです(爆)
 覚醒編が出てから数年、株式会社ジャイブより『真・女神転生Ⅲ―NOCTURNE TRPG〜東京受胎〜』が発刊されました。
 こっちの評判は…ルールを買った人達からの反応が今一つ。どーも身内でプレイすることは少なそうですなぁ。
 ここに書くのはまぁやる機会があったら、というぐらいで勘弁してくださいな(汗) 買ってないルールの話はできませんてね(笑)